2017 / 11
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私の大好きだった生徒さんが天国に召されました。

生徒さんとの出会いは10年前でした。

後になってお聞きしたのですが、乳ガンの手術をされた直後で「何か前向きになれる事を始めよう!」ということでフルートを選び、私の所へ来て下さいました。

いつも真剣にレッスンに取り組んでくれ、発表会は大袈裟ではなく「これが最後の発表会になるかもしれない。」と参加して下さっていました。

命懸けの演奏は胸を打つものがあります。

私はこの生徒さんの心のこもった演奏に感動して涙が出そうになるのを毎回こらえるのに必死でした。

何年前でしょうか。

府中市のウイーンホールで発表会を開催した時、ドイツ人のヴィオラ奏者の友人が聴きに来てくれた事がありました。

打ち上げの席で友人から「演奏会にはオーディエンス(観客)が必要。勉強になるから皆さんもお客さん呼んだ方がいい。」とアドバイスをもらったことがありました。

生徒さん達全員が、これを聞いていたのですが、この生徒さんだけが次の回からお友達を10人以上連れて来てくれました。

発表会というとお客様より出演者の方が多い、なんて事はよくある光景ですが、この生徒さんのおかげで沢山のお客様に聴いて頂けるアットホームな中にも緊張感もあって…と理想の環境だったと思います。

しかし一昨年あることがあり、昨年は誰にも声をかけようとされませんでした。

この10年間で何度か再発を繰り返され、昨年は右手は痺れてほとんど感覚のない状態。(写真使用につきましては生前ご本人から許可を頂いております。)

でも本番に向けての生徒さんの努力はそれは頭が下がる思いでした。

私もアンサンブルの曲は左手だけでも吹けるようアレンジしたり、生徒さんの助っ人としてお仕事が忙しい中、急遽発表会参加を決めてくれた生徒さんもいました。

こうした中での演奏は聴いていて本当に感動しました。

この姿が最後になってしまうなら、沢山のお友達に囲まれた中で演奏させてあげたかった。。。

この事だけが悔やまれて仕方ありません。

この生徒さんの頑張る姿を、他の生徒さんは皆、見てきました。

努力する事の大切さ、美しさ、最後まで諦めない強い思い。

私達は皆、あなたの事が大好きでした。

忘れません。ありがとう。

最後に生徒さんが命をかけて伝えたかったことを代わりにお伝えします。

「女性の皆さん、どうか乳ガン検診を受けてください。」


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Author:FC2USER403469HEU
宮崎県出身。
12才よりフルートをはじめる。
1986年・87年、
宮崎県独唱・独奏コンクールにて連続入賞。
1989年、国立音楽大学入学。
在学中1992年、全日本演奏家協会オーディション合格。
1993年、国立音楽大学卒業。
1994年、東京音楽の森オーディションに合格。
同新人推薦コンサートに出演。
同年、国際芸術連盟オーディションに合格。
翌年、新人推薦コンサートに出演。
1995年8月イタリアにて
レスピーギ音楽院サマーセミナー参加。
アンドラーシュ・アドリアン氏に師事し、ディプロマ取得。
1996年ロータリー財団奨学生に選ばれる。同年、渡独。
1997年国立ミュンヘン、リヒャルト・シュトラウス音楽院に入学し、1998年修了。
帰国後は、2000年12月まで
ムジカ・クオーレフルートアンサンブルに所属、
コンサートマネージャーも務めた。
また、元道俊哉氏のCD、NHK”花の百名山”より「The Flowers」や、”野鳥百景”より「The Birds」に参加演奏している他、多摩六都科学館マタニティーコンサートなど多数の演奏会に参加している。
これまでに宮本明恭氏、西田直孝氏、桐原直子氏、マリアンネ・ヘンケル氏、エリザベト・ヴァインツィール氏の各氏に師事。